「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR
読む、 #ウェンホリ No.06-03「趣味がなくても豊かに暮らすことはできる?」
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読む、 #ウェンホリ No.06-03「趣味がなくても豊かに暮らすことはできる?」

「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR

ラジオ書き起こし職人・みやーんZZさんによるPodcast「WEDNESDAY HOLIDAY(ウェンズデイ・ホリデイ)」書き起こしシリーズ。通称「読む、#ウェンホリ」。第6回の評論家・ラジオパーソナリティ荻上チキさんと精神科医などの星野概念さんの対談から「趣味がなくても豊かに暮らすことはできる?」をお届けます。

もともと趣味が多ければ多いほど人生が豊かになると考えていたチキさん。ところが、最近は少し考え方が変わってきたそう。そして、これまでの世の中は「趣味過剰社会」になっていった部分があるのではないかと疑問を呈します。

<No.06-02から続く>

趣味が多ければ多いほど、人生が豊かになると信じていた

荻上:あの、「趣味はなんですか?」って質問、あるじゃないですか。あの質問について最近、よく考えていて。あれって結構、一方的だなと思うんですよ。「えっ、趣味がある前提なの?」みたいな。で、たぶん概念さんと僕は趣味ある人間で。趣味を仕事にもして。で、趣味が多ければ多いほど、教養とか豊かさに繋がるって信じていたタイプだと思うんですけど。今、人生振り返ると「土日、なにをしてた?」って聞いたときに「ボーッとしていた」って言ってる人とか、いるんですね。人生のなかで。で、若い頃は「うわっ、つまらないやつ」みたいなことを思ってたんですけど。今、振り返るとすごく羨ましくて。

星野:わかります。

荻上:生き方上手じゃないですか。しないがすごく得意な人ですよね。それができない自分から見ると、ちょっとしないの価値を教わっておけば良かったな、みたいな。

星野:そうですよね。ボーッとできる人って本当に焦りが少ないっていうか。「徳が高いですね」って僕、思うんですよ。なんか。なんとなくですけど(笑)。

荻上:そう。無趣味がなにか、恥じるべきものだってすごいなんか消費社会の価値観だなと思うんですね。現代社会の趣味ってだいたい、お金と紐づいてて。「なににお金を使うか?」っていうことがその人の人生の豊かさに繋がるという意識があるからこそ、その趣味過剰社会になっていった部分があるわけですよね。それも結構、やっぱり最近の話で。趣味の選択肢がそれなりにあるからこそ、そうなったからだと思うんですけど。しないを丁寧にできる……まあ、丁寧じゃなくてもいいですけど。しないを味わえるっていう、そうした健やかさを探してる人って、もしかしたらこういったポッドキャストを「どれを聞こうかな?」って探してる方なのかもしれないですよね。

星野:そうですね。たぶんボーッとしてたっていう人も、ゴロゴロしながらスマホをいじってる気がするんですよ。

荻上:まあTikTok、YouTubeをタラタラ見たり。

主体的に行動するのが人生においていちばん豊かなこと

星野:だから、まあなんかしらしてるとは思うんですけどね。本当にそういうのをせずにボーッとしてたら、本当にちょっと解脱に近い人なんじゃないかなとは思ったりしますけど。そういうのに全然、振り回されないみたいな人ってすごいなと思いますけど。でも、そうですね。そのスマホのなかにいろいろな世界があって。そこで満たされていくみたいなのは、なんか新しい休日の過ごし方とかなのかなともちょっと思ったりしますね。

荻上:そうですね。あの、一定の年齢までは自動的に時間の過ごし方が決められてるじゃないですか。「学校に行かなくちゃいけない」とか。で、社会人になったら、忙しさもあって、それなりに時間を過ごされてる方もいると思うんだけど。はたとなにか、仕事に余裕ができて、時間がある。「あれ? この時間ってなにをしよう?」って、そのぽっかり空いた時間をすることに割くか、しないことに割くかで悩まれる時期がこられる方もいると思うんですよね。

で、そのときに「じゃあ、サークルに入ろうかな」とか、「ちょっとマッチングアプリを使ってみようかな」とか。「なにか習いごとをはじめてみようかな」とか。そういったようなことをはじめる方がいて。でも、そのことを笑うカルチャーすら、世の中にはあるじゃないですか。なんか、中年の焦りだとか、中年の危機だとか。特に一定の年齢層だとそうだけど。そういうなんか、バカにされるプレッシャーから「じゃあ、しなきゃ」っていうふうに思ってる人も結構いそうですよね。

星野:確かに。なにか興味とか、なにかをしてみようかなっていう人を揶揄するみたいなのって、「なんでそんなことを言うんだよ?」って僕、思っちゃいますね。やっぱりチャレンジをするとか、主体的に人がなにかをするっていうのはいちばん豊かなことだと思うんですよ。で、そういう主体性を持つタイミングにある人が伸び伸びとチャレンジできるっていうのがすごい大事だと思うので。だから揶揄しないでほしいなと思いますね。

荻上:そうですね。いや、カルチャー人間って、趣味競争で生きてきたところがあるじゃないですか。それはたぶん、学校のなかで「いや、ちょっと体育会系には勝てないから、趣味で勝とう」とかっていうのもあったかもしれないし。やはりその消費社会……たとえば80年代以降のいろんなものとかを読むと、「えっ、あの映画を観てないの?」とか、「あの曲を聞いてない? それはちょっと避けられないよ」とか。なにか取り入れてないことをディスリスペクトするみたいな。そういう感覚ってあって、そこにどっぷり浸かって、しかも再生産してきたので。それが回り回って自分にブーメランのように、痛みを持って返ってきてるなって最近は感じますね。

星野:ああ、なるほど、なるほど。たしかに、カルチャー中毒みたくなってるような気もするもんな。

荻上:いかに吸収して新作に追いついて。しかし、ちょっと斜に構えた解釈をして。で、「感動した」だけしか映画の感想を言わない人をちょっとバカにしてみたりして。

星野:そうですね。

<No.06-04へ続く>

文:みやーんZZ


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