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読む、 #ウェンホリ No.07-01「好きを仕事にする場合の向き・不向き」

ラジオ書き起こし職人・みやーんZZさんによるPodcast「WEDNESDAY HOLIDAY(ウェンズデイ・ホリデイ)」書き起こしシリーズ。通称「読む、#ウェンホリ」。第7回の芸人・スピードワゴン小沢一敬さんとベーシストのハマ・オカモトさんの対談から「趣味がなくても豊かに暮らすことはできる?」をお届けます。

今回のトークテーマは「好きを仕事にするって本当に心地良い?」。世の風潮として「好きを仕事にする」が良いことのように語られることが増えていますが、ときには好きだからこそ辛いこともあるでしょう。そこで今回は、好きを仕事にしている小沢さんとハマさんが、このテーマについて大いに語ります。

好きを仕事にするのは、果たして本当に心地良い?

小沢:ということで、ゲストのハマ・オカモトくんです。よろしくお願いします。

ハマ:お願いします。

小沢:いや、ご無沙汰しております。

ハマ:ご無沙汰です。嬉しいです。なんか、こういう機会でお話できるのは。僕がゲストで小沢をお迎えしたことが、自分の番組では……偉そうですけどね。あるんですけども。

小沢:呼んでいただきまして。今回は、なんか僕がパーソナリティという形でちょっと……気持ち悪いでしょう?(笑)

ハマ:気持ち悪くはないですけど(笑)。いや、嬉しいなと思って。

小沢:なんの話をしようかな? って言われても……まあ、「仕事と暮らし」をテーマに話そうっていうことなんだけど。

ハマ:いや、結構大きいテーマですよ?

小沢:大きいテーマだよね。で、この番組はね、仕事や暮らしにおける心地良さについて話すんだけど、好きなことを仕事にしているわけじゃない?

ハマ:そうですね。はい。

小沢:それは果たして本当に心地良いのか? っていうような。

ハマ:いやー、これはなかなか太いテーマですよね(笑)。

小沢:俺、でも結構結論があって。

ハマ:おっ!

小沢:今までもずっとこれ、考えてきたことなんだけど。たとえば「音楽が好きだから音楽を仕事にしたい」とか、「お笑いが好きだからお笑いを仕事にしたい」とか、みんな思ってるじゃない? で、お笑いは特にそうだと思うんだけど。「お笑いが好きだから、お笑いをやりたい!」っていう人、いるんだけど。受信をするのが好きなら、やめた方がいいかな。発信するのが好きなら……だから、「音楽が好き」って言っても、聞くのが好きな人と、やるのが好きな人っているじゃん? そういうふうに思っているのね。

ハマ:それは実は大きな差というかね。ですよね。とってもそれ、わかります。

小沢:だから俺も本当はね、お笑いはね、受信をするほうが好きだから。向いてないんだよね(笑)。若手のお笑いを見るのが大好きでさ。

ハマ:元々、じゃあやっぱり見る側で……でも、そうですよね。影響を受けるって、そうじゃないですか。誰だって受信ですもんね。やっぱり。

小沢:そうね。やってみて、難しさも楽しさもわかるし。あとさ、もう今、OKAMOTO'Sは何年やってる?

ハマ:12年目ですね。

小沢:そうするとさ、取材とかでさ、「若い頃、苦労したでしょう?」とか言われるじゃん?

ハマ:はいはい。そうですね。デビューが19だったんですよ。なんで、よく言われてました。

小沢:言われるけどさ、その当時さ、「今、苦労してるな」なんて思わないでしょう?

ハマ:思わないですね。

小沢:だから俺らの世代でも、お笑いをやってる人たち、たぶんみんなに聞いても、「若い頃、苦労したから今がある」なんて言う人、1人もいないと思うよ。みんな、周りは「苦労だ」って言うけど、そんなの気にしてない人たちしかいないじゃん?

ハマ:まあ、残れないというか、やり続けることがちょっとね、難しくなるかもしれないですよね。そう思いながらずっとやっちゃうと。

小沢:ということで、結論が出たんで……(笑)。

ハマ:これね、「前後編ある」と聞いてるんですけど?(笑)。

小沢:ええっ? これで終わりじゃないの? もう結論は……(笑)。

「好き、嫌い」というより「興味を示すか、示さないか」

ハマ:でも、小沢さんがおっしゃった、その「受信と発信」っていう。それはね、僕は本当に今、おっしゃったから乗っかるみたいになっちゃいますけど。

小沢:乗っかって。100人まで乗せていいから(笑)。

ハマ:乗せていいんですね?(笑)。あのね、まったく同じことは思いました。僕も年に何回か、やっぱりいまだに、「いや、聞いてるだけの方が楽しいんだよな」って心の底から思うことあるんで。「やめたい」とじゃなくて。

小沢:わかるわかる。

ハマ:やっぱり聞いてて「うわっ、すごい!」とか「かっこいい!」とか思ってるのが、たぶん、いちばん楽しくて

小沢:当然、だからそれを持ってなきゃダメだなとは思うの。そのカテゴリーというか。お笑いとか音楽とかのファンでずっといたいっていうか。

ハマ:ああ、そうですね。ファンですね。そうそう。

小沢:いまだにだってさ、若手の面白い漫才師、出てくると俺、熱くなるもん。「うわっ、すごいすごい! 見たい!」って。変な話、これ、あんまり言うことじゃないかもしれないけど。同世代とか先輩が出てても俺、テレビ、音を消しちゃうのよ。

ハマ:そこは別に……なんですね。

小沢:うん。「もう知ってる」と思うから。知らないのが見たいんだよね。

ハマ:ああー。そこにでも、たぶん嫉妬したり、やっかむ方もいらっしゃるじゃないですか。きっと。新しい才能というか、若手が出ると。まあ、新しいバンドが出るとか。まあある意味、その自分のやっているテリトリーを、言い方はあれですけども、脅かす可能性のある……。

小沢:えっ、ハマくんは若いバンドを観て、嫉妬するときあるの?

ハマ:それは、ないです。小沢さんと同じくかもしれない。だからその、「観たい、観たい!」とか、ワクワクする気持ちがあるっておっしゃったんで。それはすごい健全っていうか、わかるなと思いつつ、「そうじゃない人もいるな」と思って。

小沢:フェス、あるじゃん? 音楽なんかだと。それに若いバンドとかが出てると、やっぱり観に行く?

ハマ:気にしますよ。もちろん。ですし、やっぱりまあ、それはどんな事柄もそうかもしれないですけど。やっぱり「好き、嫌い」というよりは、「興味を示すか、示さないか」みたいなのは大きくあるじゃないですか。なんでやっぱり、それは世知辛いですけど。自分の物差しで言えば、別に一聴して「ああ、なるほどね」って終わる人もいるし。でも、またその逆もあって。「お話、してみたいな」とか。やっぱり掘ってみたいっていうか。「なにを聞いて、こうなったんだろう?」とか。

小沢:ねえ。「誰が好き?」って聞いちゃうもん。

ハマ:そうですよね。で、「誰が好き?」って聞く、ある意味1歩目を提示してくれる瞬間ってやっぱりあるんで。

<No.07-02に続く>

文:みやーんZZ


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