「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR
読む、 #ウェンホリ No.05-02「99件の褒め言葉があっても、1件の批判で体調は悪くなる」
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読む、 #ウェンホリ No.05-02「99件の褒め言葉があっても、1件の批判で体調は悪くなる」

「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR

ラジオ書き起こし職人・みやーんZZさんによるPodcast「WEDNESDAY HOLIDAY(ウェンズデイ・ホリデイ)」書き起こしシリーズ。通称「読む、#ウェンホリ」。第5回の評論家・ラジオパーソナリティ荻上チキさんと精神科医などの星野概念さんの対談から「99件の褒め言葉があっても、1件の批判で体調は悪くなる」をお届けます。

エゴサーチを禁止しているというチキさん。かつては頻繁に自身が書いた記事への反応や評判を検索していたそうですが、褒め言葉が99件あったとしても、批判的なコメントが1件でもあると、それに執着して機嫌が左右されるのが精神的によくないからだそうです。そんなチキさん、「心地良さと健やかさ」が保たれていた時期が具体的に浮かばないとか。それに対して概念さんも同じような反応を見せます。

<No.05-01から続く>

チキさんが敷く、エゴサーチ禁止のマイルール

荻上:この「概念さん」というのはペンネームですよね?

星野:ペンネームです。はい。

荻上:これ、SEO対策的には検索はしやすいですか? 自分の名前は。

星野:ええとですね、検索はしやすいっていうか……たとえば、エゴサーチみたいなことをするんですけどね。本とかを出したりとかすると。

荻上:本とかが売れると、あるいは自分がインタビューとかに答えると、その反響を探ったりはしますよね。

星野:そうなんですよ。それで探して、だいたいよく出てくるのは、自分の話も出てくるんですけど。それ以上に出てくるのは「星野源はもはや概念」っていうのツイートとかがいっぱい出てきて。

荻上:ああ、なるほど。尊さとかをね、表現したりとかする時に「もう概念だ」って言う方、いらっしゃいますよね。

星野:もうファンの方がたくさんいらっしゃるじゃないですか。星野源さんって。その方々が、そうなんですよ。ラジオとかを聞いて、「もはや概念の域に存在がなっている」みたいなことで。

荻上:もう「愛」とか「勇気」とか「平和」とかも同じく……っていう。

星野:そういうのが結構出てきて。

荻上:へー。まあ、僕もそうですけれども。自分のことをたとえば検索をしたりとか、それで傷ついたりとか、あとSNSで疲れたりとかっていうことを経験された方、あると思いますし。だから僕はもうそれが嫌で「エゴサーチ禁止」というルールを自分に課して2年ぐらいは守れてますね

星野:ああ、そうですか。

荻上:ほぼしないっていう。

星野:それってでもはじめのほうって「やっぱり検索したい」みたいな。ちょっと傷ついたりすることもなんとなく予想はできるんだけど、検索したいみたいな気持ちって、はじめの方は強くなかったですか?

荻上:強いですね。自分はもう、大学生の時からブログとかをやっていて。その後、すぐに物書きになって。もう10数年以上、物を書いていて。で、自分の出した本とか、自分の書いた記事についての反応とか評判を調べて。それに対して頭のなかでいろいろな反論を考えることで自分を鍛えていくみたいなことをしてたんです。でも、100件ぐらい書き込みがあったうちのたとえば99件が褒め言葉であったとしても、1件の批判的なものにすごく執着をして

それに自分の1日のご機嫌さというか、不機嫌というのが左右されてるなっていうことに気づくんですね。それによって、たとえば夕飯がおいしく感じなくなったりとか、眠れなくなったりとか。深夜2時ぐらいに反論の記事を書くために3時間ぐらい書いて。「ああ、朝が来た……」みたいな。これは不健康で、具体的に健康も崩したので。それでやめようと思いましたね。

星野:うんうん。

自分が心地良く、健やかであった時期が思い浮かばない

荻上:今日はまさに前半のテーマとしてですね、この番組自体が「心地良さってなんだろう?」をテーマにしてるのですが。今回のテーマは「心地良さと健やかさ」なんですね。でも振り返って自分が心地良く、また健やかであった時期ってあったかな? って40年間の人生を振り返っても、「ここだ!」っていうポイントが全然浮かばないんですけど。概念さんはどうですか?

星野:いや、僕も「こういう時期が健やかであった」みたいなのはパッとはやっぱり思い浮かばないですね。そういう日とか、そういう瞬間みたいなのは、「うわーっ、満たされた。嬉しい!」みたいな瞬間とかはもちろんあると思うんですけど。でも、なんかなかなかこう、そういうのをパッと思い出そうとするのは難しいんですよね。

荻上:なんかよく、英語の歌詞とか、あるいは映画とかで、そのマイスウィートメモリーみたいな。「この時期は本当に自分にとって最高のシュガーデイズだった」みたいなことを歌ったりするじゃないですか。あれがもうピンとこなすぎて。そういうのがあるのはわかるんだけど、自分にとってはどれだろう? っていう、その引き出しが少ないんですよね。でも、来られるクライアントの方でも、その自分が生きてる心地がしないとか、無味乾燥だと思ってしまうみたいな方も、いらっしゃるんじゃないですか?

星野:それは本当にたくさんいらっしゃると思いますし。あと、逆に「この時期は良かった」っていうところにとどまってしまうっていうのもひとつ、大きな悩みを生むようなことだなと思っていて。そうすると、ときって止まらず流れてると思うんですけど。「このときはよかった。でも今の自分は……」っていう、その過去との比較になってしまう。で、過去は戻れないから、どんどん神格化されてくっていうか。

荻上:美化されていくんですね。

星野:そうですね。美化されていって、まったくもう突っ込みようのない、素晴らしい思い出みたいな。そんなことってきっと、ないと思うんですけど。で、「それとくらべると今は……」っていうところから少しずつ脱却するっていうのはすごく難しいことなんですよね。

荻上:ああ、「昔は神童だった」とか、「あの頃は素敵な恋人がいた」とか。「あの頃はエリートとしてやってたのに、それこそ精神を崩して今はお金が稼げなくなって。自分はだらしない。情けない」っていうふうに悩まれる方がいらっしゃるってことですね?

星野:そうですね。だから本当、それも……「じゃあこの時間はまず、今のことだけを考えましょう」っていうふうな感じで話したりとかして。「じゃあ今は本当に最悪なのか?」みたいなのを一緒に検証していったりとかして。「ああ、こういう良い部分もあるかもしれないですね」みたいな感じでやっていくわけなんですけど。なかなかやっぱり、そのキラキラした過去っていうふうなものを強く持ってると、つらさはなかなか取れにくいなとは思いますね。

<No.05-03へ続く>

文:みやーんZZ


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SmartHRがはじめる「働くの実験室(仮)」は、さまざまな取り組みを通じて人と企業のこれからを模索するプロジェクトです。社会の変化をしなやかに受け止めながら小さな試みを繰り返す、実験室のような存在を目指します。こちらでは実験の過程を随時公開しています。