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「WORK DESIGN AWARD 2022」 受賞企業・団体が決定! グランプリは、 学校法人 新渡戸文化学園#WORKDESIGNAWARD2022

こんにちは!
働くの実験室(仮)プロジェクトのpsanaeです!

6月から始まった、働きやすさをアップデートした取り組みを見つけ・広め・讃えるアワード「WORK DESIGN AWARD 2022」。

応募いただいた98件の取り組みの中から、審査会を経てグランプリと各部門の受賞取り組みが決定し、11/10(木)に授賞式を実施しました 🎊

開催の授賞式では、3名の審査員と、スペシャルプレゼンターである木梨憲武さんと伊藤淳史さんが出演、受賞者のみなさまに盾を贈呈しました。

受賞されたみなさま、本当におめでとうございます!
授賞式の写真とともに結果をお届けします👏

WORK DESIGN AWARD 2022の受賞者、審査員、プレゼンターの集合写真

グランプリは学校法人 新渡戸文化学園 「ダイバーシティあふれる未来の学校づくり~二刀流教員×学外人材×旅する学校~」でした!
働く人の成長やキャリアアップにつながる取り組みを表彰する「キャリア部門」とのダブル受賞となります。

グランプリとキャリア部門賞を受賞した、新渡戸文化学園の理事長平岩国泰さんと、プレゼンター木梨憲武さん伊藤淳史さんとの写真

働き方や取り組みが、世の中に新たな気づきや前向きな影響を与えた方を表彰する「パーソン部門」では、万引き家族などを手がけられた映画監督是枝裕和さんが登場。
是枝監督が映画監督有志の方々と進められている、「日本版CNC(セーエヌセー)設立を求める会」の設立を始めとした、日本映画界の労働環境を改善するための活動についてコメントされました。

パーソン部門を受賞した映画監督の是枝裕和さんがコメントをしている写真

取り組み詳細や審査員講評を含む結果の詳細については、WORK DESIGN AWARD 2022公式サイトの受賞結果ページに掲載しています。
こちらのnoteでも受賞企業・団体と取り組みについてお知らせします。

受賞部門一覧

今年は全部で7部門。
エンプロイー ベネフィット部門の本年度の該当取り組みはなく、
計6点の取り組みが選出されました。

WORK DESIGN AWARDの全7部門を紹介した画像
  • キャリア:働く人の成長やキャリアアップにつながる取り組み。

  • ワークスタイル&プロセス:多様な働き方を推奨するための試みや、その仕組みづくり。

  • ニューカルチャー:従業員を含めた組織全体の働く意識やカルチャーを変える取り組み。

  • エンプロイーベネフィット:給与・福利厚生・報酬など従業員が享受するベネフィットに関する取り組み。

  • ダイバーシティー&インクルージョン:性別・年齢・能力・国籍などに関わらず、さまざまな人が心地よく働くための取り組み。

  • コンテンツ:出版物・映像作品・広告・SNSの発信など、世の中に対して働き方にまつわる新たな気づきや影響を与えた作品・メッセージ。

  • パーソン:働き方や取り組みが、世の中に新たな気づきや前向きな影響を与えた人物。 

    • 「パーソン部門賞」は、公募ではなく主催者が審査員の承認を得て、アワードの趣旨を体現された人物を表彰する部門のためグランプリの対象外です。

受賞結果一覧

※ 敬称略でお届けしています。

<グランプリ><キャリア部門>

団体名:学校法人 新渡戸文化学園
取り組み名:ダイバーシティあふれる未来の学校づくり~二刀流教員×学外人材×旅する学校~
関連リンク:https://nitobebunka.ac.jp/educational/teacher/

教員を憧れの職業に。副業解禁や学外社会人の参画などで多様な学園環境を構築
近年教員には過度な奉仕が求められ、ブラックな労働環境が大きな課題となっている。教員志望者数は毎年過去最低を更新し続けており、全国で教員不足の悲鳴が聞こえる状況でもある。
そこで同校は、本来素晴らしい職業である教員を憧れの職業にすべく、未来の学校に進化するための最上位目標を「Happiness Creator」と設定。その目標に向け、教員の副業を加速させた「二刀流教員」の導入、多様な学外社会人の教育への参画、「チーム担任制」の導入、毎週水曜日に終日探究を行えるクロスカリキュラム、最前線の社会課題に出会うスタディツアーの開始など、新しい学校への進化を進めている。
その結果、20名以上の優秀な教員やさまざまな経験を持つ学外人材が新たに学園へ参画。多様な学園環境の構築が実現し、教師や生徒の幸福度にもよい変化が生まれている。更に、未来の学校への進化を日本全国に伝える活動も積極的に実施。
この3年で100を超える視察受け入れや、各教員による講演や登壇により、学園の現在地や課題について広く伝え、日本の教育全体の進化にも貢献している。

<パーソン部門> ※2022年新設

©藤井保

人物名:是枝裕和(映画監督)
関連リンク:https://www.action4cinema.org/

「日本版CNC設立を求める会」の設立を始めとした日本映画界の労働環境改善を求める活動
コロナ禍による映画館の閉鎖や、撮影現場スタッフの長時間・低賃金労働、相次ぐハラスメントの告発など、日本映画界には多くの問題が存在する。こうした状況を改善し、日本映画製作の持続可能なシステムを作るために映画監督有志とともに「action4cinema/日本版CNC設立を求める会」を立ち上げた。CNCはフランスの国立映画映像センターで、映画製作や興行を支援する仕組みを持っている。
日本版CNCに求めるのは、「教育支援」「労働環境保全」「製作支援」「流通支援」の4つを柱に、ハラスメント対策への支援やジェンダー平等の促進など、映画を持続可能な産業として多様性を尊重する芸術文化として支援していくことである。これまでに文化庁へハラスメント防止策についての要望書の提出や、一般社団法人日本映画製作者連盟へ労働環境保全・ハラスメント防止に関する提言書の提出を行ってきた。
2022年6月には会立ち上げの会見を開き、フランスのCNCや韓国のKOFICのような、業界内を横断的に統括し支援金を分配する共助システムの必要性を訴えた。


<ワークスタイル&プロセス部門> 

団体名:一般社団法人 日本芸能従事者協会
取り組み名:特別加入労災保険センターおよび相談窓口「芸能従事者こころの119」関連リンク①:https://artsworkers.jp/kokoro119/
関連リンク②:https://geinourousai.org/

芸能従事者の労災加入とメンタルケアを促進。業界の安全衛生意識の向上に貢献
芸能従事者の労働災害は十分な補償が得られないことが多くあり、以前より問題になっていた。スタッフ等も含めた芸能業界はフリーランス率が94.6%(文化庁調べ)のため、セーフティネットがない状況が常態化していたのだ。そんな状況を受けて厚生労働省が2021年4月1日に特別加入労災保険制度を改正し、芸能従事者も新たに労災保険の加入対象になった。
そこで同日、全国の芸能従事者がオンラインで労災保険に個人加入できる全国芸能従事者労災保険センターを設立し、追って母体法人となる日本芸能従事者協会も設立。両者で連携して芸能業界の安全研修や待遇改善の活動をしている。また協会の活動の一環として、「芸能従事者こころの119」も開設。コロナウイルスの流行でエンタメ興行が激減した2020年春以降、芸能人の自死が相次いだ状況を受け、芸能従事者への早急なメンタルケアが必要と考え、24時間いつでも臨床心理士に相談できる相談窓口を用意した。顔や声が特定されないメール相談形式を採用し、利用ハードルを下げる工夫を行っている。
結果、労災保険には69業種の芸能従事者が加入し、協会には団体会員を含め約4万9000名が加入。芸能業界におけるセーフティネットの構築、業界全体の安全衛生の意識向上に貢献している。

<ニューカルチャー部門>

団体名:株式会社カミナシ
取り組み名:全社員で同じ目標を持って働くために、SFプロトタイピング小説でイメージしやすいビジョンを策定
関連リンク:https://corp.kaminashi.jp/culture/vision2030

自社の未来像を全社員で小説化。新たなビジョンを組織の共通言語にすることが可能に
社員数が10名規模だった時に同社が策定した旧ビジョンはミッションと同一のものであり、組織が100名近くになる頃「自分たちの会社は何を目指しているのか」という声が上がるようになった。事業フェーズとしても、それまでCEOの起業ストーリーなどに共感して入社する社員が多かったところを、自社の描く未来に共感して入社してくれる状態に変える必要があったため、社のビジョンを新たに策定することを決意した。だが、単に策定するだけではなくメンバー一人ひとりが理解して自らの言葉で語ってもらえる状態を作るために、CEOだけでなく全社員を巻き込みビジョンを考えるワークショップを実施。SFプロトタイピングという手法を用いて、各個人が「カミナシの2030年の未来を想像する」というテーマのショートショート(短い小説)を執筆し、そこからピックアップしたエピソードとCEOが執筆した原作を元にプロの小説家が一つの小説に仕上げた。
発表後のアンケートでは、ほとんどのメンバーが自社のビジョンを「理解できた」「とてもよく理解できた」と回答。新旧メンバー問わず、社として目指す未来への理解・共感を広く得ることができる取り組みとなった。

<ダイバーシティー&インクルージョン部門> 

団体名:株式会社アクティベートラボ
取り組み名:障害者のできる仕事エンジン「UnBi(アンバイ)仮」搭載 障害者雇用サービス
関連リンク①:https://open-gate.jp/
関連リンク②:https://opengate.careers/recruit/

障害を持つ求職者と採用企業の双方に、情報を適切に伝達。障害者雇用を活性化
病気の後遺症で障害を負った代表自身が、障害者としての就職活動に苦慮したことをきっかけに、日本の障害者雇用を変えたい、という想いを抱いて開発したサービス。これまで義務的雇用として捉えられてきた障害者雇用を、戦略的雇用に変えることを目指したものである。障害者雇用をITでバックアップし、採用企業と障害を持つ求職者の双方に必要な情報や理解を適切に伝達して出会える仕組みを実現できれば、障害者雇用はより活性化するという信念のもとサービスを開発した。
障害者が自身の症状を入力するだけで、「概要」「ファシリティ」「コミュニケーション」「業務」が自動的で表示される。これにより、求職者は面接時に障害の説明に時間を使う必要がなくなり、自身の能力の説明に終始することができるようになった。採用企業も障害者への間違った認識を正すことができ、適切な雇用ができるようになった。
こうして入社時のボタンの掛け違いを防ぐことで、障害者の企業への定着状況が改善されるようになった。

<コンテンツ部門> ※2022年新設 

団体名:うえはらけいた/マスナビ
取り組み名:新人コピーライターの成長を描く漫画「ゾワワの神様」
関連リンク:https://www.massnavi.com/report/1125.html

広告業界の働き方をテーマにした作品ながら、さまざまな職業の読者から共感の声
広告系就活サイト「マスナビ」は、広告業界を志望する学生の減少という課題に対し、就活生に広告業界の魅力を伝えるための漫画作品制作を漫画家・うえはらけいたに依頼。うえはらは、実際に広告業界に就業していた自身の経験を元にした企画を発案。広告業界で働く先輩のリアルな声に触れることができる指南書のような漫画作品を作ることで、学生に対する広告業界の魅力付けにとどまらず、同業界や他業界で働く若手も鼓舞する大きな活動になるのではと考えた。作品のタイトルは、自身が仕事で出会った「鳥肌の立つような体験」から発想し、「ゾワワの神様」と名付けた。毎話、職種や働き方への向き合い方もさまざまな“先輩”を紹介し、アイデアを読者が持ち帰ることができる構成としている。
また、「マスナビ」のメディア外でも発話・拡散が生まれるように各種SNSにも作品を投稿した。Twitterでは公開エピソードのビュー累計数は3,263万インプレッションを記録し、広告業界に限らずさまざまな業界で働く人々からも多くの共感の声が上がった。

それぞれの取り組みへの審査員講評を含む、受賞内容の詳細は、WORK DESIGN AWARDウェブサイトの受賞結果ページに掲載しているので、ぜひご覧くださいね。

審査員総評

授賞式では今回のアワード審査を総括して、株式会社SmartHR 執行役員・SmartHR 人事労務研究所所長の副島智子から講評を行いました。
今年の最終審査会での議論や、着眼点がよく伝わる内容だったのでみなさまにもご紹介します。

まだまだAfterコロナとはいいきれないこの時代、みなさんが働き方に対してどんなことに注目しているのか、とても楽しみにしていました。
昨年のキーワードは新しい働き方の受け入れによる「民主化・当事者意識」でしたが、今年のキーワードは「社会課題」。社会課題に注目した取り組みを行う企業が多かった印象です。企業の取り組みが社会にどんなインパクトを与えるのか、広い世界観を持って多くの企業が「自社ができることは何か?」を考えているということが知れて、とても温かい気持ちになりました。
社会にどんな貢献ができるのか、一人ひとりが自分ごととして考えられるきっかけがこのWORK DESIGN AWARDを通じて広まることを今後も期待します。
これからも我々は、働き方をアップデートした取り組みを見つけ、讃え、広める活動であるこの「WORK DESIGN AWARD」を通じて、日本の働きやすさを前に進めていく一翼(いちよく)を担えればと考えております。
今年もたくさんのご応募ありがとうございました。そして会場にお越しの皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございました。

たくさんのご応募、本当にありがとうございました!

昨年に引き続き2回目の開催となったWORK DESIGN AWARD。
今年は98件の取り組みにご応募いただきました。心より感謝申し上げます。ご応募いただいた一つひとつの取り組みから、組織や業界の課題に真摯に向き合い、それぞれの企業や団体ならではの解決法を見出そうとされている様子を窺うことができ、これまでの常識にとらわれず働き方をよりよくしようとするみなさまの強い意志を感じました。
そして、数多くの素晴らしい取り組みの中から、今の社会に特に大きな気付きをもたらし、これからの日本社会における働き方の新たな兆しとなるであろう取り組みに受賞いただくことができたことを、本当に嬉しく思っています。
本アワードを主催する私たちSmartHRは「well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」というコーポレートミッションの下に企業活動を行っています。今回受賞された取り組みはどれも労働現場における課題解決の最前線といえるものであり、これらの素晴らしい取り組みの存在を多くの方々に届けるために、これから尽力して参ります。
そして、さまざまな意義深い取り組みを見つけ、広く伝えていくためにも、WORK DESIGN AWARDを続けていきたいと思います。

また次回、みなさまにぜひご応募いただければ嬉しいです!