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読む、 #ウェンホリ No.02-01「その日の視点で、世界は変わって見える」

ラジオ書き起こし職人・みやーんZZさんによるPodcast「WEDNESDAY HOLIDAY(ウェンズデイ・ホリデイ)」書き起こしシリーズ。通称「読む、#ウェンホリ」。今回は、第2回のタレント・新内眞衣さんと哲学研究者・永井玲衣さんの対談から「その日の視点で、世界は変わって見える」をお届けます。

趣味に「念入りな散歩」と入れるほど、毎日のように街を歩いているという永井さん。その理由は、何千回と歩いた道でも日によって違った見え方がするからだとか。そうした世界の見方に新内さんも同意します。

哲学は他者が必要な学問

新内:さて、この『WEDNESDAY HOLIDAY』なんですけども。「心地良さってなんだろう?」をテーマに考えていくポッドキャストで。哲学研究をされてると、やっぱりメンタル的に大変だったりとか、つらいって思うことって、やっぱりありますかね?

永井:そうですね。これも前回の哲学対話の話じゃないですけど。やっぱり1人でやると苦しいですよね。終わりのない問いなので。で、研究自体もやっぱり協力プレイだと思うんですよね。哲学者って本当におしゃべりで、すぐ研究会するんですよ。

新内:ああ、そうなんですね。

永井:もうとにかく人と集まって何とかしようとするっていうような。他者がつくづく必要な学問だなと思いますね。

新内:「哲学対話」じゃなくても、哲学の研究者の皆さんも、やっぱり対話をして研究をなさっているってことですか?

永井:そうなんですよ。だって哲学書とか、1人で読めるわけがないんですよ。あんなの。

新内:アハハハハハハハハッ!

永井:あんなの、意味がわかんないですから。

新内:「めちゃくちゃ難しいな」っていう印象ですね。

永井:めちゃくちゃ難しいですよ。研究者が集まって、みんなで「これ、どういう意味?」ってずっと言ってますから(笑)。

新内:それこそ、やっぱり哲学対話の研究とか哲学の研究をしてると、そのインプットする時間……結構お話をされることが多いので。アウトプットの時間の方が長いと思うんですけど。インプットの時間をつくるのとか、すごい大変じゃないですか?

永井:ああー、まあ、そうですかね? ただ、哲学対話ってよく聞くことを大切にするので。インプット……「インプット」って言っていいのかな? 常にやっぱり聞いてるんですよね。

新内:ああー。それが一種のインプットになってるのかもしれないですね。いや、でも忙しい中でリフレッシュするって、どういうときに……なんか、リフレッシュってできてます? その、カフェとかにフラッと入ってコーヒーを飲んでるときに、やっぱり考えちゃったりしませんか?

永井:します、します。

新内:いつ、リフレッシュするんですか?

永井:ええっ? リフレッシュ……リフレッシュって、何ですか?(笑)

新内:フフフ(笑)。

永井:哲学……嫌ですよね。こういうの、本当に嫌われるんですよ。「ああ、出た、出た」っつって(笑)。

新内:アハハハハハハハハッ! たしかに。リフレッシュって何なんだろう? リフレッシュ……。なんか、方法とかありますか? 自分的にリフレッシュになる……。

永井:ああ、それは私のプロフィールに書いてある「念入りな散歩」ですかね。

何千回と散歩しても、まだまだ奥行きがある世界

新内:すっごい気になってました(笑)。「丁寧」とか、なんか「運動重視の散歩」とかではなく「念入りの散歩」っていう……なんですか、これは?

永井:いや、散歩を念入りにするんですよ。時間的にも、あとはなんていうんすかね? 歩き回って、街をとにかく見るっていうか、見回るというか。私は近所をもう何千回と散歩してるんですけど。いくら見ても、やっぱりまだまだ奥行きがあるんですよ。

新内:それは、わかります。私も散歩好きなので、すっごいわかります。

永井:ねえ。いいですよね。

新内:いつも同じ道通ったとしても、全然その木が違ったりとか、お花が咲いていたりとか。「ああ、ここに新しいお店ができたんだ」って思ったりとか。本当にその日の視点によって全然違ったりしますよね?

永井:そうなんですよね。私、この間歩いていて、何千回と通った商店街の屋根のところに……ふと、上を見たらなんか変な三角形のオブジェがついてて。すごい、結構大きかったのに今まで気づかなかったですよ。それを見つけた瞬間、嬉しすぎて、走っちゃったんですよ、私(笑)。「ああ、まだこんなにも世界って気づかないことがあるんだ!」と思って。もう嬉しくなって、走っちゃって走っちゃって。結構危ない状態でしたけど。そういうのがリフレッシュになってるんですかね?

新内:えっ、念入りな散歩……すごい念入りな散歩について、詳しく聞きたい気持ちが先走ってしまってるんですけど。念入りな散歩で、週に何回とか決めてたりはするんですか?

永井:ああ、毎日しますね。必ず。

新内:雨の日とか、どうするんですか?

永井:全然しますよ。

新内:わお!

永井:深夜とかしたりしますね。

新内:私も深夜、します。

永井:ああ、本当ですか?

新内:すごい私、お酒を飲んだ後に歩いて帰るの、大好きなんですよ。

永井:わかるー! 最高ですよね。

新内:最高なんですよ(笑)。なんか本当に、誰に気を使うわけでもなく、静かな東京の街を歩くっていうのがすごい好きで。それこそ「ああ、今日は東京タワー、何色だ」とか「今日、スカイツリーは光ってないな」とか。本当にどこにいても、なんか都市的な建造物って見えたりするので。「ああ、ここからだと東京タワーはこう見えるんだ。ここからだとスカイツリーはこう見えるんだ」っていう発見があったりとか。「ああ、いつもとは違う道を通ってみよう」って思うと、なんか知らない人がいたりとか。それがすごい大好きで。散歩、最高ですよね。

永井:やっぱりさすが、出てくるワードが「東京タワー」とか「スカイツリー」とか、かっこいいっすね。私なんか「商店街の三角のオブジェ」とか言っていたから、恥ずかしくなっちゃった(笑)。

新内:全然です(笑)。

No.02-02へ続く>

文:みやーんZZ


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