「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR
読む、 #ウェンホリ No.06-01「いつの間にか消耗している人は“頼る”ことも大切」
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読む、 #ウェンホリ No.06-01「いつの間にか消耗している人は“頼る”ことも大切」

「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR

ラジオ書き起こし職人・みやーんZZさんによるPodcast「WEDNESDAY HOLIDAY(ウェンズデイ・ホリデイ)」書き起こしシリーズ。通称「読む、#ウェンホリ」。第6回の評論家・ラジオパーソナリティ荻上チキさんと精神科医などの星野概念さんの対談から「頼り合うことは、疲れに気づくことにもつながる」をお届けます。

仕事疲れをすることがないというチキさん。どちらかというと、もっと頑張れるのにと思うことのほうが多いのだとか。そこで最近は、アプリを利用して自身の疲れを可視化することにしているそう。そうやってなにかに頼ることについて話し合います。

「仕事疲れ」がピンとこない

荻上:前回の配信では「心地良さと健やかさ」というテーマでいろいろなお話をしてきました。今回はですね、「仕事疲れをどうにかしたい」というテーマで話していきたいと思いますが……概念さん、仕事疲れすることってありますか?

星野:いや、もう全然やっぱりありますよ。

荻上:ありますか。どういうときですか。

星野:ひとつは身体的な疲れですね。たとえば夜勤とかしてて、寝られないみたいな。あとはですね、頭が忙しくなりすぎて、余裕がなくなるみたいなことが結構あって。たとえば外来にしろ、訪問にしろ、やり続けてるとなんか、だんだんオーバーヒートしてくるような感覚があって。でも調子がいいときはオーバーヒートせずに、どんどん加速していく感じなんですけど。オーバーヒートしていると考えとかがまとまらなくなっちゃって。それでなんか、なんで焦ってるかわからないんですけど焦りとか、あとはちょっとしたことでイライラしたりだとかするっていう感じで。だからあれはたぶん、頭が疲れてるっていうか、まとまらなくなっちゃって。気の流れが滞ってるみたいな感じなんですけど。僕の感覚だと。それは結構、きついですね。

荻上:うんうん。僕もその「仕事疲れ」っていうふうなテーマで考えるときに、あんまり自分ではピンと来ないんです。疲れてることはあるんですけど、あんまり仕事疲れがなくて。というのは自分はフリーランスで、割と自由にものを書いたり、ラジオに出たりっていうことを選べる状況なので、その物理疲れが多いんですね。「もっと働きたいのに眠い」とか、「まだまだ原稿を書いていて、乗りに乗ってるのにお腹がすいた」とか。あるいはなんか、たとえば「子供からちょっと話しかけられて。でも、いろいろなにかしなくちゃいけないのに……」とか。そうしたときに、心に体がついてこないっていうのが結構ありますね。でもそれはそれで、ひとつの疲れなんでしょうね。

星野:疲れというか、なんでしょうね? ストレスみたいなことなんですかね?

荻上:うんうん。そうだと思います。一応今、疲労についての研究って結構あるじゃないですか。それこそ、たとえば唾液とか血液で一定のウイルス量とか、その分泌されたものによって疲労がわかる。でもそれって、検査するのにそれなりの時間がかかるけれども、ゆくゆくは「あなた、疲労してますよ」っていうことを判断して教えてくれる。そんなAIアプリとかが出てくる時代があってもおかしくないですよね。

星野:そうですね。早めに気づけるから。なんか、もう自分でも自覚してるときに「ちょっと疲れてますよ」ってたとえばアップルウォッチみたいなものが教えてくれたとしたら、そのときはもう余裕がなくなっていて「わかってるよ! 知るか!」みたいな感じで。で、冷静さが保たれてるうちに教えてくれないと……。

荻上:ああ、「そろそろ疲れますよ」っていう。

星野:もう、ちょっと冷静さがなくなってるときって、やっぱり人って、これは誰でも雑になっちゃうと思うんですよ。「いやいや、わかってる、わかってる。わかってるから!」みたいな感じで無視しちゃうみたいな。そうすると、より疲れが深まってしまうこともあるよなとか思って。まあ実験してるんですけど。

荻上:なるほど。タイミングを調整できるといいですよね。

星野:そうなんですよね。

荻上:僕みたいにその疲れの気づきがワンテンポ遅い人は「あなた、疲れてますよ」ってタイミングで教えてほしいし。概念さんみたいに把握はできるけれども……っていう方はその手前で、「そろそろ予防タイミングですよ」っていう。そのほうがいいんですね。

星野:そうなんですよね。なんかやっぱり自分で把握できた方が、早めに把握できた方が対処もできるし。小さい対処で済むっていうか。

疲れは、自分で対処しなくてもいい

荻上:でも、わかっていても疲れに対処できないことって、あるじゃないですか。たとえば僕、ゲームがすごく好きで。ひとつのゲームでもう5000時間ぐらいやってるタイトルがあるんですけど。世界のトップランクを目指していて、延々とやってるんですよ。で、そのゲームをたとえば10連敗とかしちゃうとき、あるんですよね。ランクが落ちたりする。そうすると、もう大変不機嫌になるわけですよ。でも、頭では「3連敗したら一旦休もう」ってわかってるんです。

あるいは「疲れてるときにはゲームをやらないようにしよう。なぜなら疲れてるせいで負けるから。しかもそれで負け越して眠れなくなると翌日の仕事に響くから」って。それはわかってるんだけどやめられないっていうのはこれ、ある種の依存の入り口だったりするじゃないですか。だからそれのひとつの対処法は、同じくゲームが好きな友人に対して3、4連敗したあたりでLINEを送って。で、返事が来たときにやめるみたいな(笑)。そういう協定をお互いにつくって。お互い、気づきにくいけど。「これって疲れている。やめどきってことでいいですか?」って言って「いいです」って返ってきたらやめるっていうのを最近はちょっと試してますね。

星野:ああー、それはあれですね。すごい信頼関係がある方なんですね。そのご友人は。

荻上:あります、あります。ゲームについての思いや、あとはその世界に対する考え方が近いので。それは自然と話ができますね。

星野:なるほど、なるほど。そういう、だから対処法があるといいですよね。なんていうか、頼り合うっていうのは。全部、自分で対処しなきゃいけないわけでもなかったりとかも。

荻上:そうですね。最近、「頼る」がひとつの練習のテーマになっているんですよ。僕の場合は。たとえばそれは人だけじゃなくて、物でもいいんですね。メンタルヘルスとか心の健康についてのアプリとかもいっぱい出ていて。そのなかにはジャーナリングアプリとか、あるモニタリングアプリと呼ばれるようなものがあって。「今、どんな気持ちですか?」っていうのでいろんな感情を選んで。で、「なにがあったんですか」っていうなことを簡単にメモするだけで「今週、1週間あなたは『不安』という言葉をいちばん使っていました」とか。「今週あなたは『ワクワクする』と答えたのがいちばん多かったです」みたいなことを教えてくれるんです。

で、それを1週間ごととか1ヶ月ごとに振り返ることができるんですけど。自分の感情の振り返りが苦手だからこそ、アプリを頼って。その結果、自分のなにか問題とか疲れに気づくっていうことが最近、ようやく身についてきたというか。みんな、「いや、頼れる友人がいないよ」って人、いるんですけど。でもアプリでも、ノートとかメモでもいいから、そういうものをまずはやってみたらどうかね? みたいなことを同じく困ってる友人には最近、言うようにはなってますね。

星野:うんうん。そうですよね。やっぱりなんか、そういう考えなり、感情なりをもちろん、常に誰かに話せたりとかすればいちばんいいですけど。それって、そればっかり言っててもなかなか難しいじゃないですか。だから、まあアプリにしても、メモにしても、それを書くっていうか、アウトプットする。外在化みたいなことだと思うんですけど。そうすると、「ああ、そうか。今は自分はこういう感じなんだ」とか。意外と書いてみると、「考えとかがまとまってないんだな」とか、「思ってるよりもちょっと余裕ないのかもしれないな」とかなったりするかもしれないし。なんか、そうですね。

荻上:気づきになりますよね。ちなみにそのアプリで「あなたが一番使ってる言葉は?」みたいなのが出てくるんですけど。僕は「問題」っていう言葉で。「今日はこの問題について悩んでいた」とか。もう全部「問題」っていう言葉で整理してたみたいなんですよ。「ああ、そうか。自分は言葉でこれを使う癖があるのか」みたいな。物書きとしても頼りがちな言葉がどれか? っていうことわかって、それは面白かったですけどね。

星野:それ、すごい面白いですね。やっぱりそうやって教えてくれるといいですね。自分だとわからないもんなー。

荻上:そう。だから人生の編集者みたいな。

<No.06-02に続く>

文:みやーんZZ


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