「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR
SmartHR Store ものづくりのクフウ視察日誌 「それ、どうやってつくりましたか?」 vol.0「SmartHR Storeの歩み」
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SmartHR Store ものづくりのクフウ視察日誌 「それ、どうやってつくりましたか?」 vol.0「SmartHR Storeの歩み」

「働くの実験室(仮)」活動記録 by SmartHR

「働きやすさ」を支えるオリジナルアイテムを展開する『SmartHR Store』が正式オープンして1年と数ヶ月。販売するやいなや大きな注目を集めた「かわいいヤギのセーター」や、スタートアップ中心に蟹旋風を巻き起こした無料アイテム「ビジネスチャット用カスタムemoji(カニの詰め合わせ20杯)」など、ちょいちょい話題になることも(ありがたう〜)。

ただ一方で、おもしろアイテムを販売しているだけの企業ショップのように見えてしまっているかもしれないなと思うことも(悩ましい……)、2022年はSmartHR Storeの背景にある考え方をみなさんにお伝えするべく、もう少しアクティブに活動してみることにしました。ということで、はじまったのがこの連載企画「それ、どうやってつくりましたか?」。

そもそもSmartHRは、SaaS企業。ソフトウェアはつくってきたけれど、リアルなものづくりに関しては専門外なところもあるわけです。でも、ソフトウェアの開発を通じて「働きやすさ」をつくろうとしてきた私たちだからこそ、できるものづくりがあるかもしれないとも考えています。

そこでこの連載では、まずはものづくりの先輩企業を訪れ、それぞれのすてきなプロダクトに込められた想いやこだわりを聞き、今後のアイテム企画に活かすヒントを探っていきます。

今回はその前日譚。これから企業を訪れる前に『SmartHR Store』のこれまでの歩みを、「ものづくりのクフウ視察団」を結成した3名のストアメンバーで振り返ってみました。

まずはメンバー紹介から

この連載のために今回「ものづくりのクフウ視察団」を結成した SmartHR Store の運営メンバーたちを紹介します。

ものづくりのクフウ視察団のメンバー紹介画像。左からSmartHR Store店長のnam、真ん中がSmartHR Storeチーム長のbebe、右がSmartHR Store Pressのnakamari。それぞれの簡単なプロフィールと、よく使うSlack絵文字3種類が記載されている。

なむ(@nam_nam)、べべ(@bebene3)、なかまりの3名です。普段はさまざまなプロジェクトや業務を担当していますが、SmartHR Storeでは、それぞれ店長、チーム長、プレスとして活動しています。

この3名で、さまざまな先輩企業を訪問し、ものづくりのクフウを探っていきたいと思っています。とその前に、今回はSmartHR Storeの歴史を振り返ってみます。

SmartHRのオリジナルアイテムは、社内課題の解決のために生まれた!

SmartHR Storeの歴史年表。2020年10月完全理解うちわを販売、2021年9月年末調整書類があつまる封筒、2021年12月かわいいヤギのセーター販売、2021年9月ビジネスチャット用カスタムemoji配布開始。
SmartHR Store活動の一部をプレイバック

SmartHRのオリジナルアイテム制作の歴史、そのはじまりは今から4年前の2018年に遡ります。当時、SmartHRは急成長を遂げ、メンバーが一気に60名まで急激に増えたところでした。

それによって起きたのが社内でのコミュニケーションの課題。人数が増えるにつれて阿吽の呼吸でやりとりするのが難しくなり、少しずつ齟齬が生じていました

その解決のために生まれたオリジナルアイテムが「投げるマイク」と「完全理解の札」です。

なむ「当時、全社員がオフラインで集まって経営会議の内容を共有する場があったんですね(現在はオンライン開催)。

そのうち全社員に聞こえるようにマイクが必要になり、その受け渡しだけでも人員や時間を割いてしまう問題の解決と、大人数の場でも遊び心を持って気軽にコミュニケーションを取れる環境づくりのため、導入に至りました。

正方形のクッションの中に取り外し可能なワイヤレスマイクが内蔵されていて、少し雑に扱っても良かったので重宝していました」

店長なむの写真。投げるマイクを説明している。「投げるマイク、見た目もかわいいし当時社内で盛り上がりましたね〜」

なむ「それと同時に、聞き手側のコミュニケーションを円滑にするためにつくったのが『完全理解の札』です。(現在は『完全理解うちわ』にアップデートしてSmartHR Storeでも販売中。)会議で一人ずつ喋る必要はないけど、みんなに内容は理解していてほしい場合ってあるじゃないですか。そういうインナーコミュニケーションの課題を解決するためにつくりました」

この頃から一貫していたのは、組織の課題をアイテムの力で解決したいという気持ちと、そのためにデザインで工夫することでした。

なむ「たとえば、昨年リリースした『年末調整書類があつまる封筒』というアイテムも、もともとは社内の労務担当者の困りごとを解決するためにつくったものなんですよ。年末調整業務ってチェックリストをつくるだけでも本当に大変で。

きちんと周知をしないとかなりの確率で不備が発生するし、場合によっては郵送の差し戻しもある。特にここ数年はリモートワークの広がりによって、これまでオフィスで直接集めていた従業員の年末調整書類を郵送で集める必要も生じています。

そうした担当者の手間を省くために、従業員が迷わず簡単に正しい書類を郵送できて、オフィスに届いた後も分かりやすく集められる専用封筒をチェックリストなどのツールと一緒に用意すれば、作業がかなり楽になると思ったんですよね。これまで業務の合間に煩雑な書類提出に対応していた従業員側のストレスもなくなって一石二鳥ですし」

べべ「僕たちとしては、ノベルティをつくっている意識はなくて。働くうえでハードルとなる課題があって、それをどうやったら解決できるかを常に考えています。企業TシャツがSmartHRのブルーではなく濃いネイビーなのも、展示会などのシーンで着用した時に汗染みが目立たないように選んだカラーなんです。そうやって使う人や利用シーンを考えてちょっとした工夫を加えることが、僕たちのアイデンティティになっている気がします」

腕をくんで座るべべの写真。セリフ「つくる人もそうだけど、社内全体に遊び心ある工夫を見かけますよね!」

べべ「ちなみに、今では幻のアイテムになっているのですが、過去には白いYシャツをつくったこともあって。ベンチャー企業ということもあって普段はTシャツなどラフな格好で働いているメンバーが多いのですが、外出する機会があるときに、場面を問わず着られるものをつくろうという考えのもとに制作したんです。当時、前代表の宮田がよく着ていました」

なかまり「アウトプットが多種多様だから、見る人によっては脈絡がないと思われているかもしれないのですが、どの商品も誰かの『働きやすさ』を後押ししたいという課題から生まれていて、そこに私たちが大切にしている“遊び心”を混ぜて形にしたものなんですね。それが人事労務領域のものだったり、もう少し広げて働くすべての人に向けたものだったりという違いがあるだけで。ベースにある想いみたいなものは、ずっと変わっていないんです」

横を向くなかまりの写真。セリフ「ビジネスチャット用絵文字、反響が大きくてうれしかったですね〜」

べべ「僕自身、SmartHRにとっての“遊び心”は、働きやすい環境をつくるためのものだと考えていて。働きやすさの実現のためには、生真面目にやるだけではなく、ある程度息を抜ける余白も大切な気がしているんですね。アイテムをつくるのも、ある意味では余白的な考えだし、そこにユニークさをまとわせて発信していくのがSmartHRのカルチャーなんじゃないかなと思います」

自社の働き方を改善することが、巡り巡って他社の働き方を改善することにつながるかもしれない

時は流れ、2020年。創意工夫を凝らしたアイテムをつくり続けるなかで、立ち上げが企画されたのが『SmartHR Store』でした。「B to BのSaaS企業がなぜアイテムの販売を?」そんな疑問を持つ人も多いはず。実際、社内でもそうした声がありました。それでもECショップを開設しようと考えたのは、どのような理由があったからなのでしょうか。

なむ「ひとつは、私たちがつくってきたアイテムを他社さんからほしいという要望をいただく機会が多かったからです。最初のうちは関わりのある企業であればプレゼントしていたのですが、それだと入手できる方がかぎられてしまうし、無料でもらうのも気が引けるという声も多かったので、ならいっそのこと販売してしまおうと考えました」

べべ「それに加えて、ソフトフェア以外の面でも「働きやすさ」を提供していきたいと考えたことも大きかったですね。

SmartHRは『働くうえでの非合理な仕組みをテクノロジーと創意工夫でハックする』というミッションのもとにソフトウェアをつくっているのですが、それにならうとすれば、働くことにまつわる社内の課題を解決するためにつくってきたアイテムは『手に取れるSmartHR』だと考えていて。自分たちの目の前にある働きやすさを改善することって、巡り巡って他の会社や社会の働きやすさを改善することにもつながると思うんですよ。

たとえば、SmartHRの別の取り組みに『オープン社内報』というものがあります。これもわざわざ外に向けて社内の連絡事項を公開する必要はなかったのですが、あえてオープンに発信することでSmartHRのカルチャーが広く伝わっていったし、結果的に真似してくれる企業さんがたくさんでてきて、ポジティブな連鎖が起きた。そういう現象を僕たちは、アイテムを通じて実現したいんですよね」

そして、2020年10月。『SmartHR Store』はオープンしました。とはいえ、最初は法人単位での販売にとどめることに。

なむ「そもそも私たちにものを売る知見がほとんどなかったので、すべてが手探りで」

べべ「社内にECの経験があるメンバーがいたのでヒアリングをしたところ、お客さま対応にとにかく力がかかるし、そこが大切な部分なんだと。本業が別にある僕らがそれに対応できるのかという懸念がありました」

向き合って座るメンバー3人の写真。それぞれの写真の横にセリフの吹き出し。なかまり「何度も話し合ってきましたよね。」なむ「個人の方も欲しがってたのに販売的なくてもどかしかった〜」べべ「前者会議へ議題にあげたり、法務メンバーに相談したり、結構タフだったなぁ(遠い目)」

なかまり「当初は新しい取り組みということもあり、いきなりそこまでのリスクをとってまでやる必要があるのかという声もあったので、最初は個人向けの販売はせず、企業単位での販売という絞った形からはじめることにしたんです。でも、それから1年ほど運用してみたところ、大きな問題もなかったので、2021年の9月に個人のみなさま向けにも販売を開始しました」

べべ「会社としても1年間の運用期間があったからこそ、大丈夫だという判断を下せたと思うんです。もしかしたら、最初から個人向けの販売をしていたら、僕たちは今頃めちゃくちゃ疲弊していたかも…(笑)」

ものづくり企業を訪れながら、各社の工夫を学びたい

そして、2022年。『SmartHR Store』をさらに進化させていくために、新たなチャレンジをしていこうと考えています。

べべ「この1年弱の期間を通じて、『働きやすさ』をテーマに僕たちがつくっているものにある程度のニーズがあることがわかったので、それをさらに加速させていきたいと考えています。

すでにやりたいことはたくさんあって。『年末調整書類があつまる封筒』のように、僕たちの事業ドメインである人事労務領域を担当するみなさんの助けになるものや、昨年のクリスマスシーズンに出した『かわいいヤギのセーター』のようにユニークなものはもちろん、『ビジネスチャット用カスタムemoji』シリーズのように形がないからこそ無料で広く提供できるデジタルアイテムもつくりたいですし、さらには思いを共有できる企業と一緒にものづくりができたらいいなと密かに企んでいます。

なかまり「ただ、私たちだけだと考えられることやできることにも限界があるし、ものづくりに関する知識もまだまだ足りないので、まずはいろんなものづくりの先輩企業を訪ねてみたいなって」

なむ「どういう視点を持ってものづくりに励んでいるのか。会社ごとに異なるこだわりを聞かせていただいて、それを今後の活動の糧にしたいなと思います。そしてせっかくなら、私たちが聞かせてもらうだけではなく、そこで得た学びを連載記事という形で世の中にも伝えていきたいなって」

なかまり「すでに世の中にあるいろんなものを『働き方』という文脈と掛け合わせることで、新しいなにかが生まれたらいいですよね。たとえばSmartHRには、オフィスでアウトドア用のサコッシュを身につけているメンバーが結構多くて。聞いてみると、軽くて、機能性が高くて、使いやすいから、席や会議室を行ったり来たりしながら過ごすオフィスでの仕事に便利だというんです。最近は大体のチームがフリーアドレスになっているのでなおさら、ということもありそうですが。そうやって一見すると仕事に直接関係ないように思えるものが、実は働きやすさの向上につながっているかもしれないですよね」

べべ「お酒のコミュニケーションもそうですよね。当社には大きな冷蔵庫が何台もあって会社がお酒やソフトドリンクを常備してくれているんですね。『フリーアルコール』といって、仕事が終わっていれば18時以降に冷蔵庫の飲み物を飲んでもいい制度なんです。

それも普段の業務ではなかなか関わらないメンバー同士で会話をするきっかけになったり、リモートワークが広がるなかでも出社する良い口実になったりして、結果的にそこで生まれたコミュニケーションが業務上での良い影響にもつながっていますよね」

ということで、いよいよ次回から、ものづくりの先輩企業にインタビューをしにいく連載本編がはじまります。一体どんな企業を訪れるのでしょうか。続報をお待ちください!

取材・文:村上広大
撮影:鈴木 渉





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SmartHRがはじめる「働くの実験室(仮)」は、さまざまな取り組みを通じて人と企業のこれからを模索するプロジェクトです。社会の変化をしなやかに受け止めながら小さな試みを繰り返す、実験室のような存在を目指します。こちらでは実験の過程を随時公開しています。