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読む、 #ウェンホリ No.02-03「なにもバカにしない。他人のことも、自分のことも」

ラジオ書き起こし職人・みやーんZZさんによるPodcast「WEDNESDAY HOLIDAY(ウェンズデイ・ホリデイ)」書き起こしシリーズ。通称「読む、#ウェンホリ」。今回は、第2回のタレント・新内眞衣さんと哲学研究者・永井玲衣さんの対談から「なにもバカにしない。他人のことも、自分のことも」をお届けます。

心地良さを考えるうえで、暮らしと仕事は切り離せないという新内さん。30歳を迎えるにあたり、仕事への向き合い方や身体のケアに対する意識に変化が生じていると話します。それに対して特に変化がないという永井さん。それぞれの違いが如実にわかる対話になりました。

No.02-02から続く>

毎日無理なく過ごしたい。でも、適度なスパイスもほしい

新内:心地良さを考えるうえでやっぱり暮らしとか仕事は切り離せないと思うんですけど。30歳を迎えて、なにか変化を感じたりすることとかってありましたか?

永井:全然ないんですよね(笑)。

新内:ああ、ないんですね!

永井:えっ、ありますか? ああ、でもそうか。卒業されたから……。

新内:そうですね。でもすごい食べ物とか、やっぱり変わってきましたね。

永井:えっ、本当ですか? どういう感じに?

新内:なんかやっぱり無添加のものを選んだりとか、産地を見るようになったりとか。

永井:へー! なんで、なんで? なんでですか?

新内:そのほうが、なんか身体のパフォーマンスがよくなるというか。だるくならないというのを知ってしまって。やっぱり年齢に応じて生活スタイルって変えていかなきゃいけないんだなって身をもって実感したので。結構、食生活は変わった気がしますね。

永井:へー! すごい。

新内:変わらずに?

永井:変わらずに。というか、30という年齢って一体、私にとってなんだろう?っていうぐらい、何も変わらず。「大丈夫かな、変わらなくて?」って思いますけど。

新内:でも、それが今のライフスタイルに合っていて。心地良さのなかにいるから、たぶん変えなくても大丈夫なんじゃないんでしょうかね?

永井:そうですかね。そうかもしれないですね。暮らしのあり方っていうのが確かに年齢によって変わる……「年齢」なんですかね?

新内:また哲学になりますね(笑)。

永井:そうですね(笑)。嫌ですねー、本当に(笑)。

新内:いやいやいや! たしかに30歳っていうよりは、30歳に向けて……というか、やっぱり徐々に徐々に変えていったっていう言い方のほうが正しいかもしれないですね。

永井:おお、なるほど。

新内:やっぱり「このご飯を食べるとだるくなるな」とか、「このご飯を食べるとむくむな」っていうのが如実に、年齢を重ねることによって……やっぱりね、細胞分裂の関係とかもあるので。ちょっとやっぱり対応しきれなかったりするなっていう。そのリカバリーが大変だったりするので。なんか食生活は変わってきたなと思うんですけど。

永井:「細胞分裂の関係で」って(笑)。めっちゃ面白いっすね(笑)。

新内:いや、でもその30っていう節目だから変えたっていうのはたしかにないかもしれないですけど。常に心地良さは探してる気はしますね。自分にとっての。

永井:うんうん。へー、眞衣さんの心地良さってどんな感じですか?

新内:毎日無理なく楽しく過ごすことです。

永井:おおーっ! 「無理なく」っていいですね。

新内:そうなんです。でも、適度なスパイスってやっぱり大事かなって思うので。定期的に緊張する場っていうのはあった方が私のなかでの心地良さはあるなって思います。

永井:おおー。なんか眞衣さんのお仕事って常に緊張感がありそうで。

新内:そうなんです(笑)。

永井:大丈夫ですか? 心地良く過ごせてますか?

新内:なんかでも、心と身体ってやっぱり違うなって思うんですよ。なんか心は結構満たされてるんですね。結構、お仕事もたくさんさせていただいてますし。

永井:おお、素晴らしい。

新内:やっぱり卒業してから頑張らなきゃいけないっていう意味でも、そのモチベーションも高いわけじゃないですか。それが心地良さに繋がってるんですけど……やっぱり身体は、現役時代より硬いって言われます(笑)。

永井:そうなんだ(笑)。

新内:だから心と身体の心地良さで考えると、やっぱりちょっとその乖離している部分があるのかなとは思うんですけど。気持ちは心地良いんですよね。

永井:へー。

新内:だから、そこのすり合わせをこれからしていかないと、身体を壊しちゃったりとか、心が病んでしまったりとかするので。そこは気をつけて、注視していかなきゃいけないなとは思います。


永井:私、すごいお話を聞いていてわかんなくなってきたのが、心地良いってどういうことなのか? っていうことなんですけど。なんか「楽しい状態」っていうポジティブな状態なのか、それともなんか私はこの言葉を聞いたときにある種、喜びも悲しみも過剰なものがないというか。凪の状態というか。平静な状態、みたいなイメージもあったんですよね。でも、なんか「無理なく楽しい」とおっしゃられて。「ああ、そうか。楽しいっていうことは、割と気持ちが跳ねている状態のことなのかな?」とか思ったりして。なんなんだろう?

新内:たしかに凪の状態も大好きです、私(笑)。

永井:大好きですか(笑)。

新内:無理なく、ずっとその場が流れていく心地良い時間っていうのもありますね。定義が難しいですね。やっぱり、心地良いという。

永井:ねえ。どういう状態なんだろう? って。自分だと、なんなんだろうな? でも、なんか凪のイメージが強いのかな? とか、なんかその哲学対話の場で「無理をさせない場をつくりましょう。心地良い場所をつくりましょう」って言うんですけど。そのときに私は「『まあ、ここにいてもいいかな』って思えるような場であるように」みたいなことを言うんですよね。で、それってなんか、ちょっと言い訳があるっていうか。「こここそが私の場だ!」みたいに意気込んでるっていうよりは、「まあ、ここにいてもいいかな」みたいな、ちょっとリラックスしてるっていうか。

新内:肩の力がちょっと抜けてるというか。

永井:抜けているというか。「『めっちゃ楽しい! テンションぶち上がり!』っていうわけじゃないけど、でもここにはいられるな」みたいな状態が心地良さかなって思っていて。となると、なんか仕事の場面でも……もちろん「私こそ。これをできるのは私しかいない!」みたいなのも大事だけど。同時になんか、「この仕事は無理なくできるな」とか、「無理なくこの食事ですごせるな」とか。なんかそういう、少し力が抜けたような、でもちょっと緊張感があるみたいな状態かなって思えてきたんですけど。なんか、どうですか?

新内:そうだと私も思うんですけど。それはある種、やっぱり永井さんは今、働き方が心地良いっていうことなんですかね?

永井:うーん、「ここにいられる」……。まあ、そうかもしれないですね。私は書き物の仕事をしてるので、常に締め切りに追われていて。本当にもう、昨日とか本当に傘もさせずにしゃがみ込んじゃいましたけど。私、締め切りがヤバすぎて(笑)。

新内:大丈夫ですか?(笑)

永井:もう全然心地良くない状態ですけど。でも、そうですね。その仕事において、なんか「私しかこれをできる人がいない」とかはすごい、ちょっとドキドキするじゃないですか。

新内:ドキドキしますね。

永井:「私がいなくなったらこれ、もうヤバい」みたいな。私がかけがえのない存在すぎるみたいなのがキツすぎて(笑)。だけど、なんか「私じゃなくてもいいな」っていうのも悲しいじゃないですか。

新内:そうですね。必要とされてない感じがしてしまいますよね。

永井:なんか「ここにいられるな」っていうぐらいが仕事としても暮らしとしてもいいかな、なんて思ったりもしますね。

新内:ああ、すごい、いいまとめ(笑)。まとめ方が(笑)。ではですね、最後に永井玲衣さんにこの質問したいと思います。今、聞いてるみなさんへアドバイスなんですけども。自分なりの心地良さを見つけるために、どんなふうに考えて、どんなことをしていったらいいと思いますか?

永井:そうですね。うーん……「なにもバカにしないこと」です。

新内:大事! 大事すぎる!

永井:大事すぎる(笑)。

新内:本当に思います。簡単な言葉でバカにしないでほしいですよね?

永井:バカにしないでほしい。ねえ。評価の話ともちょっとつながっているかもしれないですね。なにもバカにしない。他人のこともそうだし、自分自身のこともバカにしないというか。なんか「こんな私、必要なのかな?」とかって自分を軽んじたりとか。あとは「こんなの、どうでもいいでしょ」って茶化してバカにしちゃうとか。そういうことをしないっていうだけでなにか今日、話した「無理をしない」っていう、そういう心地良さということにつながってくるのかな、なんてちょっと話しながら考えました。

<書き起こし終わり>

文:みやーんZZ


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