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読む、 #ウェンホリ No.08-02「誰かが悲しんだらエンタメじゃない」

ラジオ書き起こし職人・みやーんZZさんによるPodcast「WEDNESDAY HOLIDAY(ウェンズデイ・ホリデイ)」書き起こしシリーズ。通称「読む、#ウェンホリ」。第8回の芸人・小沢一敬さんとベーシストのハマ・オカモトさんの対談から「誰かが悲しんだらエンタメじゃない」をお届けます。

さて、今回はコロナ禍に沸き起こった不要不急なものを排除するような動きについて小沢さんとハマさんが話します。コロナ禍でライブを強行しようとした小沢さん。それに対して、尊敬するバンドマンから言われた助言が強く印象に残っているとか。一体どのような言葉があったのでしょうか。

<No.08-01から続く>

コロナ禍に沸き起こったエンタメ不要論

小沢:まあ、社会が不安定なときとかだと、「エンタメはもう不要だ」とか言うじゃない? 特にこのコロナ禍、なんかライブハウスに入れない時期とかも、あったじゃん? どう思った? 俺はね……俺が思ったことから言っていい?

ハマ:もちろん。

小沢:俺はもう、子供の頃からライブハウスに通っていたの。名古屋とか、ハックフィンとか、わかる?

ハマ:ハックフィン、わかります。

小沢:俺、15歳ぐらいからハックフィン、ずっと通っていたの。パンクが大好きだったから。

ハマ:ああ、そうか。よりね。

小沢:名古屋ってハックがやっぱりパンクの聖地というか。で、あの当時のパンク、特に名古屋ってパンクがすごかったのよ。だからもう怪我しに行くというか、もうどうなるかわかんないのよ。もう無茶苦茶だったから。でも俺、ライブハウスに行くやつって「どうにかなっても構わない」っていうやつが来てると思って。

ハマ:うんうん。覚悟というかね。

小沢:だから、そう。覚悟。ライブハウスのこと、行っちゃいけないとか。ライブハウスは健全でどうのとか……もちろん今の時代、それは正しいのかもしれないけれど。「このルール、ライブハウスに行ったことないやつが決めたな」と思ったの。

ハマ:いや、本当にそうですよね。たぶんみんな、小沢さんと同じく声を大にして言っていたのはそこですしね。なんか、理解ができないわけじゃなかったし、突っぱねる理由ももちろん物理的に突っぱねられない理由もあったんですよ。やっぱり密室だし……とか。でもやっぱりおっしゃった通り、それを見た体感で言ってたらすぐ伝わるんですよ。僕らだって。

小沢:うんうん。本当にそこに行って、何か起きたときのこと考えたらダメだっていうのはわかるんだけど、わかんないやつがなんか文面上で……。

ハマ:そう。イメージで言っているんですよ。もう「クラブはチャラい」とか「牡蠣は生で食ったら当たる」とかと、たぶん同じレベルなんですよ。

小沢:大丈夫なの? 牡蠣は生で食っても大丈夫なの?(笑)

ハマ:えっ、だって牡蠣屋さんがあるじゃないですか。

小沢:そうだよね。実は、大好き(笑)。

ハマ:ごめんなさい(笑)。そう。なんかそういう、勝手なイメージですよ。そういう風評っていうか。それはあったなと思いましたし。もうモロに食らったので、やっぱり忘れられない時期でしたけど。でもやっぱり、あの時期にそのエンターテイメント業界がみんな、もちろんないがしろにされて。エンターテイメント業界っていうか、もちろん飲食も、いろんなところがそうですけど。なんかこう、優先順位とかを感じちゃった時期とかがすごくあったと思うんですけど。でもあの時期から……「あの時期から」というか、もちろんそれ以前からですけど。お笑いに触れた人の数、とんでもなく多かったんじゃないですか? その、テレビを通じてとか、ラジオを通じてとか。

小沢:いや、それは音楽も一緒ですよ。

ハマ:まあ、音楽もそうかもしれないですね。その、ふさがれたがゆえに、大変なこともあったけど、生命力の強さみたいなのをすごい感じたというか。そこに、その……はじめて触れた音楽とかをすごく聞いてました。あの時期。なんにもできない時期に。振り返るに。やっぱりYouTubeとか、戻ってきたテレビ番組とか、そういうものに時間を割くのが増えましたね。映画とか。配信サービスの導入も伸びたから。

小沢:吸収をしていたんだよね。

ハマ:そうですね。そうせざるを得ないみたいな時期だったんじゃないかなと思うし、大事さはすごい痛感しましたけどね。

小沢さんが尊敬するバンドマンに言われて気づいたこと

小沢:俺ね、もう10年ぐらいかな? 毎月ライブをやってるの。スピードワゴンの漫才ライブを。まあ昔はトークライブと漫才ライブを順番にやって。今は漫才ライブだけを毎月やってるんだけど。そのコロナ禍になったときに「中止」って事務所に言われたの。まだ世の中がどうなっていくかもわかんなくて、コロナの重大性もわからない俺はバカだから「じゃあ、中止なら中止でいいよ。だけど、俺は勝手にその日、そこでネタ合わせをやってるから。別にそれを見に来たって構わないわけでしょう?」って、かっこつけたのよ。

ハマ:へー!

小沢:で、俺が大好きなバンドマンの方に「僕はそう思ったんで『勝手にネタ合わせをするんだ』って言ったけど、事務所には止められました。『できない』って言われたんだ。嫌だな」っていう話をしたの。大好きな先輩のバンドマンに話したら……俺は絶対、そのバンドマンの方、パンクだし、ロックだから。「それはやるべきだな」って言われるかと思ったら、「僕も反対だな」って言われたの。そのときにその人がね、「だって、もしそこに人が集まって、そこで誰かがそういうことを患って悲しいことが起きたら、嫌じゃない?」って。

俺はね、感動したのは「そこでそういうコロナにかかる人が増えたりとかしたら、責任取れる?」って言われたら「はあ?」と思っただろうけど。「悲しいから嫌だな」って言ったの。「自分がエンタメをやることによって『悲しい』が生まれるんならエンタメじゃないもんね」って。俺、そのときに自分の想像力のなさというか。「ああ、俺はただかっこつけていただけなんだ。想像力がなかったな」っていう反省はしたね。

ハマ:それはたしかにもう、言い方というか、言葉のチョイスですね。特にあの時期、すごい責任問題みたいなのがメインじゃないか、みたいな感じだったじゃないですか。

小沢:責任がどうとかは後の話だと俺は思ってるんだよ。「こうなった場合、誰が責任取るの?」っていうのはもうみっともないのよ。それ以前に「悲しくない環境をつくるのがエンタメだろう」っていうのが……。

ハマ:やっぱり小沢さんも楽しませる気ですしね。やる側も。

小沢:いや、俺はカッコつけたかっただけなんだよ(笑)。「こんななかでも漫才を稽古っていうテイでやるじゃん」って。

ハマ:でも、そのカッコつけを見てやっぱり、めちゃめちゃ楽しい人がいっぱいいるわけじゃないですか。カッコつけを楽しむ人。

小沢:でも難しいね、これは。

ハマ:そうですね。でもそのハックフィンの話じゃないですけど。ライブハウスに行くやつは……まあ僕が出した言葉でもありますけど。覚悟っていうか。やっぱりちゃんとね、自覚があって行くし。やる側も、見る側も。それと一緒でやっぱりそこにエンターテイメントの話なんだから責任っていうのはちょっとNGワードだろうとは思いますよね。

小沢:難しいね。こればっかりはね。

<No.08-03に続く>

文:みやーんZZ


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